会長ブログ

心を高める経営を伸ばす35,36

土俵の真ん中で相撲を取る
 追い込まれないと真剣になれない性格は、一夜漬けをしていた学生時代から変わっていません。時間が有ってもくだらないことに時間を潰してしまい、残り時間が少なくなってからいつも慌ててやっています。
 今の仕事を始めてからは、常に土俵際の連続でした。お金が無い、人がいない、ノウハウが無い、ないないづくしの中で常に追い込まれていました。土俵の真ん中で相撲を取るには、きちんと計画を立て、普段から準備をしておかなくてはなりません。
 経済的に余裕が無いと何もできません。出を抑えて入りを計り、たまったお金に応じた出費計画を立てねばなりません。今ではかなり下がりましたが、以前の実効税率は50%近くでしたから、利益の半分しか留保することができません。お金が溜まらないうちに借金をしてしまい、経済的にいつも追い込まれていました
 もっと大変なのは人材です。良い人材がいなければ、事業を発展させることは不可能ですが、人材を採用し育成するのは至難の業です。優秀な人材はなかなか来てくれません。来ても途中で辞めてしまい、悔しい思いをたびたびしました。
 土俵の真ん中で相撲を取るには、普段からの準備が大切です。余裕のある状態を作っておいて、心は土俵際の精神で仕事をしなければなりません。かつてに比べて自己資本比率は上がりましたが、人材的にはギリギリの状態です。手を打っていかねばなりません。

大胆にして細心であれ
 大胆に構想し、細心に計画を立て、緻密に実行したいものです。大胆な構想には綿密な調査が、細心の計画には遠くまで見通せる直観力が必要です。また緻密な実行には断固とした決断力と、人を思いやる優しさが必要です。
緻密な調査なしの大胆な構想は、失敗につながります。構想が大きければ大きいほど、細心に調査しなくてはなりません。常に大胆と細心を組にして、行動したいと思います。
リーマンショック以来自社の板金プレス業は、衰退産業に入っていると認識しています。今後大きく伸びることはないでしょう。生き残るだけでも、何かを変えて行かねばなりません。もし今後発展したいと望むなら、大きく変えて行かねばなりません。
自社の収益構造を変化させる、大胆な構想がぜひとも必要です。川上へ行くのか、川下へ行くのか。違う業界のお客様にアプローチするのか。または違う業界に進出するのか。いろいろと調べていますが、答えはいまだに出て来ません。
大胆に着手したいのですが、とてもできる状況ではないので、細心に行えることとして、業界の調査や人材育成に取り組んでいこうと思います。

心を高める経営を伸ばす33,34

自ら燃える                                                     
プロスポーツ界で活躍している人は皆、自ら燃えているのではないでしょうか?野球や相撲、ゴルフなどの選手はみな凄まじい訓練をされ、迸る大きなエネルギーで自らを燃え上がらせています。私たちもそれぞれの仕事において、プロフェッショナルですから燃え上がって当然です。
 私はもともと熱いタイプではありません。どちらかといえば醒めていて、興奮したり涙を流したりすることが少ない人間でした。しかし経営の勉強をするようになってから、些細なことに感動したり、時には涙を流すようになりました。
 それは世の中が少し見えるようになってきたからだと思います。大きな成功をされている方は、大きな努力をされています。また例外なく大きな困難を乗り越えられています。困難に耐えて自分に打ち勝った方々の言動に感動します。
 また現在の自分が有るのは、たくさんの運に恵まれたからです。風邪などで寝込ことが無い健康に恵まれました。そして思い返すと本当に多くの方の援助を受けて来ました。現在の状況を有り難いと思えると、感動することが多くなりました。
 現在の自分の状況に感謝し、多くの困難を乗り越えた先人に少しでも近づきたい、と願う気持ちが自己を燃え上がらすのだと思います。自社には問題が山積で、理想には程遠い状況です。まだまだ燃えねばなりません。

渦の中心で仕事をする
 渦の中心で仕事をしたいと思っても、それだけの実力や経験が無ければ不可能です。最初は実力のある人について仕事を学び、少しづつ自分の受け持ちの仕事を増やし、地道に努力している内に、いつしか渦の中心となって仕事ができるようになれると思います。
 自然と渦の中心になる人がいます。明るくて前向きで、それでいて謙虚です。正しい価値観を持ち、ぶれることが有りません。孔子は「徳は孤ならず、必ず隣あり」と言いました。徳のある人には人が寄ってきます。そのような人は自然と渦の中心になるのでしょう。
 私は会社の誰もが渦の中心になっていただきたいと思っています。少なくとも自分の仕事の中心は自分です。自分で考えて自分で行動しなければ、仕事は面白くありませんし、改善も進みません。与えられた仕事であっても、自分のものとして進めてほしいと思っています。
 社内には5S委員会など、6つの委員会が有ります。入社2年目や3年目でも委員長になることが有ります。専門的な知識は必要ありませんから、誰でも委員長になれるのです。渦の中心で仕事をする良いチャンスだと思います。
 最初は誰でも渦の中心で仕事をする実力はありませんが、渦の中心で仕事をしようと努力するうちに、実力が付いてくるのではないでしょうか。

心を高める経営を伸ばす31,32

あるがままに見る
 あるがままに見ることは、とても難しいことだと思っています。そこに自分の思いが入ってしまうからです。極端な話、見ようと思わなければ目に入ってもきません。なるべく周りに良く注意して、正しく見る癖をつけねばならないと思います。
 人の事は割と良く見ることができますが、見えないのは自分です。鏡で見ることはできますが、自分のごく一部を写しているにすぎません。自分は他の人にはどのように映っているのだろうか、自分の行動や発言は、他の人にどのように受け取られているのだろうかと、常に気をつけていなければならないと思っています。
 自分の会社がお客様にどのように見られているのかも、良くチェックする必要が有ります。お客様の要求に正しく応えているだろうか、お客様へのサービスや応対は適切か、そしてお客様に気に入られて、次々とお仕事をもらえているか、常に確認していなければなりません。アンケートもよいのですが、定期的に出向いてお話するのが一番です。
 また自社の内部もよく見ている必要が有ります。社員さんは仕事に意欲を持って取り組んでもらっているだろうか、人間関係はうまく行っているだろうか、そして仕事を楽しんでいるだろうか、あるがままに見ていなければなりません。おかしい兆候を発見したら、すぐに手を打たなければならないからです。
 あるがままに見なければ、改善することはできません。お客様に喜んでもらえる会社に、そして社員が喜んで働ける会社になるように、自分のエゴの心を離れ、正しく見るように努めて行きたいと思います。

夢を描き続ける
 夢が無ければ人生は面白くありません。少しでも夢に近づこうと努力するから、毎日が楽しいのだと思います。しかし自分の能力に限界を感じた時や、努力したことが報われなかった時に、やはり自分には無理だと諦める時が有ります。
 いつも体のどこかに痛いところがあり、明らかな体力の低下を自覚すると、これまで頑張ってきたからもういいかと思ってしまいます。でも夢は達成できなくてもいいと考えると、気持ちは楽になることに気づきました。出来るかできないかは時の運で、できなくてもいつまででもやり続けさえすればいい、と思うようになりました。喜びは達成することにあるのではなく、達成する過程にあるのかもしれません。
 私の現在の夢は「働いていることが誇りに思える様な会社」にすることです。これは実に壮大な夢です。果たしてどうすればそこまでいけるのか全く分かりません。でもそうなれたら、こんな嬉しいことはありません。私が生きている間ではたぶん無理でしょう。そんなことは別にかまいません。少しでも近づいていければと思います。

心を高める経営を伸ばす29,30

本能心を抑える
 人間の心は持って生まれた本能心と、学習によって得た理性心から成り立っています。人類が誕生したのは、50万年前とも100万年前ともいわれますが、そのほとんどが狩猟生活でした。その狩猟生活で本能心が培われました。理性心は、集落で共同生活をするようになって、芽生えてきたのだと思います。
このため本能心の方が理性心より強いのは、仕方が無いことなのかもしれません。しかし会社のように共同で作業をする場合には、本能心は障害になることが良くあります。まして経営者は従業員を守り、会社を守ることが一番大切ですから、本能心を厳しく抑えなければなりません。
稲盛さんの講演テープで「利他の心で経営する」と聞いて、利己心だらけの自分がどのようにしてそのようになれるか悩みました。理性心でこうすべきと分かっていても、自分の本能心の方が勝ってしまいます。別のテープで利己心を抑えればそこに隙間があき、利他の心が生まれると聞いて、光明が見えた気がしました。
どうしても抑えられないところは後回しにして、抑えることができるところから始めることにしました。今は簡単な部分しか本能心を抑えることはできていませんが、できるだけその範囲を広げて行きたいと思っています。

意識の焦点を絞り込む
過去の事例を研究し様々な学びを通して、理性心を磨き意識の焦点を絞り込めば、様々な経営課題に対して、的確に判断できるはずです。しかし稲盛さんは理性心より、さらに超越した正確性さを持つ「霊性心」が有ると言われています。
理性心だけでは限界があるのでしょう。過去の経験に照らしたり、多くの人の意見を取り入れても正しい判断ができるとは限りません。環境が刻々と変化して行くからです。過去ではその判断が正しくても、将来に適応出来るとは限りません。
弊社を振り返ってみると,過去に大きな決断をしたことが何度かあります。失敗すれば取り返しがつかなくなるような決断もありました。人に相談しても、その人は責任を取ってはくれません。人の意見で決断すれば、失敗した時はその人を怨むでしょう。その案件に対しては、自分が一番知っているはずだから、自分の知識を総動員して考えて、最終的には自分の勘で決めました。自社がこれまで来れたのは、多くの人の協力が有ったのと、運が味方したところが大きかったように思います。
大きな案件であればあるほど、理性心だけでは判断できないように思います。理性心を越えた霊性心が必要です。稲盛さんは、霊性心は「人間として何が正しいか」を常に問い実践して行く中で得られる、と言っておられます。正しいことをしていけば、世の中が味方し、天も味方するということなのだと思います。我社には課題が山積みです。意識の焦点を絞り、課題解決にまい進して行きます。

心を高める経営を伸ばす27,28

「人間として正しいことを求める」
 なにが人間にとって正しいのか、すぐに判断できる確固たる基準は、今だにできておりません。しかしこうやって盛和塾で勉強しているうちに、経営についておぼろげながら判断基準が出来て来ました。
 以前は自分の優柔不断な性格のために、部下を叱ることができませんでしたが、塾長から「小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり」と教えていただき、ここで叱らなかったら部下をダメにしてしまうからと、時には勇気を振り絞って大きい声をあげれるようになりました。また利己の心で凝り固まっていましたが、少しは利他の心を判断基準にするようになりました。
 しかしまだまだ自分にとっての正しい判断の域を超えず、社員さんにとって正しい判断になっているのか、またお客さまにとって正しい判断なっているのか、迷うことが多いのが現実です。正しいか正しくないかは、多くの面から見ないとわからないことが多いのです。多方面から見れるように見聞を広め、多くの書籍を読み知識を蓄えたいと思います。

「安易な道を避ける」
 経営はつねに判断の連続です。右の道を行くか左の道を行くか、決断を迫られます。無難な道ばかり選択する経営には、たぶん悲惨な運命が待っています。挑戦しない経営ですから自己変革がなく、いずれ変化する環境についていけず脱落して行くもの思われます。困難な道を選ぶ経営は、その困難に鍛えられて自己革新を続け、必ずや立派な企業になっていくと思います。
 弊社はM機械様と30年以上のお付き合いをさせていただいています。一時期は弊社の売り上げの80%以上を占めていました。M機械様は織機準備機械では世界有数の企業です。それだけに不具合については厳しく、毎年の不具合発生件数を○○件以下にしなさいと厳命されます。これ以上多くなったら取引停止と言われたこともあります。また価格についても厳しく、毎年数パーセントの原価低減を言い渡されます。円高の時は15%を言い渡されたこともありました。
いつも辞めたいと思っていましたが、考えてみるとM機械様の厳しい品質と価格の要求に応えることができたなら、どこの会社と取引しても対応できると思ったのです。そう思って誠心誠意対応して行くうちに、だんだんと厳しい品質と価格の要求に応えられるようになり、昨年は品質報告会で良い事例として発表させていただきました。
今も厳しい道は嫌なのですが、厳しい道が自分をそして自社を成長させると信じて行きたいと思います。