2000年に日本創造教育研究所と出会い、かなり頻繁に研修を受けるようになりました。日創研にはTTコースのように良い研修がいくつもありますが、その中でも古永先生の実践ビジネススクールはとても勉強になりました。この研修は一月に2から3日の研修を、5ヶ月にわたって受けるものです。最初に財務を3日間勉強し、次いで社風・理念と戦略・中期経営計画・経営発表と勉強していきます。
最初に財務を勉強するのが味噌です。私は財務が全く分かりませんでした。財務の重要性を全く認識していなかったのです。損益計算書はなんとなくわかりますが、貸借対照表の意味がわかっていませんでした。財務を勉強して、こんな大事なものをわからずに今まで経営していたのかと愕然としました。今なら財務のわからない経営者は失格だと、自信を持って言えます。
実践ビジネススクールでは毎回講義の開始前に財務の試験を行います。試験結果は公開されます。昨年の問題や、違う場所での問題などが、受講生の間で飛び交い、前夜や向かう電車の中で、必死で勉強しました。その試験の中で次のような問題がありました。
設問 成長性分析では、下記の科目に関してどのような成長であれば良いとされているか、良い成長(バランス成長)順に並び替えなさい。
(科目)売上高、自己資本、付加価値高、人員、総資本、経常利益
さあ皆さんでしたら、どの項目を優先して経営されているでしょうか。私はこのような観点で経営を考えた事がありませんでした。何とか会社を大きくしたい、儲かる会社にしたいと思い、機械を入れれば売上が上がるだろうと、利益が上がらないのに無理に借金をして、機械を購入していました。機械を入れるとそれを動かす人が必要になり、どんどんと人を採用しました。しかし人が増えれば増えるほど管理が出来なくなり、後始末は全部自分にかかってきました。売上高を追い人員を増やし、総資本を増やす経営をしてきました。
渋沢栄一は1916年に「論語と算盤」を著し、道徳経済合一説を唱えました。私の理解ですが、経営には2つの側面があります。一つ目はこの社会に役に立つことです。二つ目はきちんと利益を上げて存続することです。この二つがきちんとかみ合わないと、存在する意味がありませんし、また存続できません。
算盤の面だけを言えば、企業の目的は少ない資本で大きな利益を上げる事です。そうする先ほどの設問の答えは次のとおりになります。
人員<総資本<売上高<付加価値<経常利益<自己資本
売上を追いかけるよりは、付加価値を付け経常利益を増やすべきです。税金を払った残りの当期利益が自己資本に追加されます。人を増やすなら、それ以上に付加価値が付かねばなりません。人は一旦雇えば辞めてもらうことは困難ですから、機械で代用できるものならば、人を雇うより機械を入れた方がよい訳です。
算盤については割りと理解が早いのですが、理解が困難なのは論語の面です。理念と言い換えたほうがよいと思います。私は10年以上理念を追い求めてきました。非常に奥が深く、どれだけ勉強してもきりがありません。重要なのは理念であって、算盤はそれを達成する手段といっても良いでしょう。理念についてはとても多くの面がありますので、またの機会に書きたいと思います。











